2011年8月30日火曜日

ドイツのTV局「ZDF」 Frontal21 福島原発事故、その後

ドイツのTV局ZDF「フロンタール21」シリーズが 8/26 放送した番組
Die Folgen von Fukushima 福島原発事故、その後

ソースURL: http://www.youtube.com/watch?v=5n_3NK-tsOU 
掲載&翻訳:Entelchen3 さん
→ 上記がなくなったので、拡散URL: http://youtu.be/SD4U41yk79g

ドイツのTVZDFが作成し8月26日に放送された、福島原発事故後の番組です。
日本のメディアでは取り上げられない(?)のか。
編集されているので、どうかなというところがありますが、ドイツから見た日本の現実として、見ました。


福島第一原発から80キロ離れた本宮の農家大沢さんは、自分の栽培する野菜の検査を市民放射能測定所に依頼した。
県の食品衛生検査所では受け付けても­­らえなかったからだ。結果大量のセシウムが発見される。
「これはもはや食べ物ではなく放射性廃棄物です」。
なぜ行政はこうした検査を受け付けないのか、ドイツの記者が原­発­担当大臣を問い詰める。




この美しい風景が悪夢の舞台です。
日本屈指の豊かな農地・福島県。
都会の人の観光地としても人気だ。
原発事故で、その広域が汚染されてしまったのだ。

大沢さん(61歳)は本宮の農家。
原発からは80キロ離れている。
畑で採れたジャガイモ・ナス・ネギを、隣町の市民放射線測定所に持ち込んだ。
原発事故以来、自分で栽培した野菜は食べていない。
放射能汚染を恐れたからだ。

大沢さん 「政府の発表は、もはや信用できない。
最初から事態を小さく見せようとばかりしている。
直ちに健康に害がないの繰り返し。
正確な数値も出さない。
まともな測定もしない。
汚染問題の中にみんなを放置した。」

事故後、大沢さんは、すぐ、作物の検査を依頼したが、
「畑は20・30キロ圏から遠く離れている。検査の必要はない」
と断られた。

市民放射能測定所の意見は正反対である。
汚染のない作物はない。
特にセシウム137がひどいからだ。

(市民放射能測定所) 「こんな汚染数値の場所は、本当は、絶対避難するべきです」

大沢さんのジャガイモも例外ではなかった。
原発から60キロ離れた伊達市のシイタケからは、1キロあたり7000ベクレルの汚染が測定された。
基準値は500ベクレルだ。

(市民放射能測定所) 「もはやたべものではなくて放射性廃棄物です」


汚染調査は、本来、県の食品衛生検査所の管轄だが、ほとんどパンク状態である。
コンセプトもない、人手も計測器の数も追いつかない。

(県食品衛生検査所) 「 一般の方の検査はお断りせざるおをえません。
我々が選んだサンプルを検査し、判断を出しておりますが、 それだけで手一杯の状態です。
市民の検査も引き受けたら、役所の仕事に手が回りません」


我慢強い日本人もだんだん、食品の汚染問題に気付きはじめている。
野菜、緑茶に続いて牛肉。


原発を所有する東電の反応は?
今までと同様、ノーコメント、管轄外の一点張りだ。

東電 「私達の仕事は原発の中です。
測定は国と地方行政の管轄で、私達はお手伝いするだけ。
ですからコメントできません」


大沢さんの農作物検査結果について、我々が質問すると、原発担当大臣はうろたえるばかりだった。
危機管理担当の役人達は、長々と書類をチェックしたあげく、 大臣はついに不備を認めた。

細野原発担当大臣 「万全の監視体制のつもりでしたが、 牛肉問題で検査の体制の強化の必要が認められました。
今後、汚染食品が出回ることを防止しなければなりません」


一方、グリーンピースは独自の調査結果を発表。
魚も汚染されていた。

「魚は相変わらず高濃度のセシウムに汚染されています。
原発から55キロ離れた所まで、調査した魚の半分が、
基準の500ベクレル/キロを、大きく上回っていました。
汚染が広範囲であることを物語っています」


日本人の主食・米も同じ運命のようだ。
大沢さんの田んぼの土は、二度、(県の)検査所に提出された。
最初の検査は合格したが、二度目の結果は公表されない。

大沢さん 「今年も作付けを出来るか、知りたがったので、
自費で独立の研究所に検査をしてもらった。
5万3千ベクレル/キロのセシウム137が検出された。
基準値の7倍だ。
米作りはあきらめた」


福島市のほとんどの住民は、こうした汚染数値を知らされていない。
おりしも夏祭り、売られている物は何でも食べる。
空中線量が下がって以来、人々は日常生活に戻った。
子供の被曝許容量が20ミリシーベルトに引き上げられたことへの怒りも、忘れ去られたようだ。


英国のクリストファー・バスビーのような専門家は、まさにそのことに警鐘を鳴らす。

「日本政府の無責任ぶりは、犯罪的だと思う。
子供に平気で高い被曝をさせている。
都合がいいというだけで短期間で、これほど基準を変えてしまうとは、
この判断は間違いなく、多くの子供を死に至らせるだろう。
文明国のやることとは思えない」


だが、ここはまさに原子力ムラの国なのだ。
権力を握る電力会社、政治家、官僚が、原発のあらゆるスキャンダルを隠蔽し、大したことがないように見せてきた。
何兆円ものビジネスを守るために、今回も同じ手段を使おうとしている。


大沢さんは、まさに文字通り、それを「身」をもって体験した。

「自分の体がどれくらい放射能被曝しているか検査したかった。
だが、福島大学には拒否された。
市民の検査はしないと。
友人は、隣の県の病院に問い合わせた。
ところが、福島県知事から福島県民の診察を受け入れないように指示されているそうだ」

そのような指示の出された事実はないと、当局は言う。
しかし、大沢さんは農家を捨てなければならない。
自宅で、毎時90マイクロシーベルトを測定したのだ。
9日間で、ドイツ原発作業員の年間許容量に達する数値だ。
原発から80キロも離れた場所なのに。


クリストファー・バスビー 「これは、人間の想像力を越える惨事です。
制御不能の状況であることは、当初から明らかだった。
どうしたらいいのか誰にもわからないし、簡単な答えもない。
これは、人類史上最悪の惨事だと思う」


福島の至る所に、人々は、ひまわりを植えた。
土の中の放射能を吸収すると言われている。



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ドイツZDF-Frontal21 福島原発事故、その後(日本語字幕)



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